リラクゼーションマッサージ・ほぐし整体業に役立つ情報! | やるべきこと

 整体目的の原点から考えると、術者だけの努力では足りず、お客様の努力も必要になります。しかしお客様が努力するべきことを明確に指導することは術者の業です。 大まかな進め方として「@施術」と「A指導」の2つが必要になってきますので、それぞれを簡潔に説明し、その具体的方法を記載致します。
 まず筋肉の柔軟性維持ですが、ほぐし整体業であれば日頃から行っている方法も一つの手段です。ただし、その考え方や、やり方によっては十分に効果を発揮できません。上手くいけば関節の柔軟性回復にも繋がりますので、的確に行いたいものです。またお客様の訴える症状改善・緩和には精神的なリラックスが必須です。それがあってこそ施術の効果が十分に発揮できるものです。
   そして重要なこととして、理想的な姿勢を維持してもらえるよう指導することです。これなくしては、せっかくの施術も一時的なものとなり、症状は繰り返されます。

@施術

 ここでは、施術は、ほぐし整体とストレッチの2種類をメインに進めるものとして説明します。ほぐし整体はいわば筋肉調整です。筋肉が緊張して収縮すると骨を引っ張り、ズレを起こすと考えると、ほぐし整体は骨調整も兼ねていると言えます。ですので、ほぐし整体は関節の可動性を常に確認しながら行うことが望ましく、その方法として、術者の手指等を関節に当てて、その関節の可動の最大域まで圧をかけたり捻ったりします。そこから術者の体の動きを使ってバネのように軽くコンコンとします。その時に、狙った関節単体のクッション性があればOKです。可動性が悪いと、その周囲の関節も一緒に動いてしまいます。主に肩甲骨、仙腸関節の可動性はしっかり確認したいものです。そして脊椎の可動性もまた重要ですが、脊椎に関しては一つずつ掴んで左右に揺らしてみたり、上下の脊椎を掴んでそれぞれ反対に動かしてみたりすると可動性が分かります。このように関節の可動性を回復させながら進めていきますが、万が一、ほぐし整体等で関節の可動性を回復できない場合は、別途カイロプラクティックやオステオパシー等の特殊な整体法を使用しますが、本書では説明を割愛します。  いずれにせよ、これらは整体目的の原点に則ったものであり、特に方法を限定するものではありません。術者自身に最も合い、信頼できる技術を見つけて修得することが大切です。

[ほぐし整体施術]
 施術の方法は様々なものがあり、中には直接お客様の体に触れずに行う方法や、器具を用いて行う方法もあります。
ここでは直接、手で行う施術(徒手施術)を対象にしておりますので、それを前提で記載致します。施術は術者の手指等とお客様の体が接することによって始まりますが、互いの接する部分はいくつか考えられます。
 まず、お客様側の施術される部分としては、大きくみれば筋肉の盛り上がりがある部分になりますが、それをさらに細かく分解すると、張り感がある部分、猫の舌のようにわずかにザラつきがある部分が挙げられ、それらの部分を見つけて施術を行います。単に盛り上がっている、硬いというだけでその部分ばかりを施術するべきではなく、その動きやザラつき減少を確認しながら施術を進めていくことが理想です。
 次に、術者側が使用する部分としては指先、指腹、手のひら全体、手根、手刀(手のひらの小指側側面)、前腕、肘頭が挙げられます。
それぞれ当たる面の広さや圧のかかり具合が変わってきますので、状況に応じて使い分ける必要があります。ただ、原則としては、広い面から接して徐々に狭い面や点に狭めていくことが理想です。
 これら互いの部分がまず合致することが最初の始まりです。合致すれば具体的な施術方法に移りますが、いくつかの種類がありますので、それぞれ種類別に説明します。

<技術の種類>
@基礎的押圧法 ー 直圧法

A実務的押圧法 ー プレス直圧法 [文中ではプレス法と略す場合あり]
(A 横方向) (B 縦方向)

B揉捏法(じゅうねつほう)
(A 横方向) (B 縦方向)



@基礎的押圧法 ー 直圧法
 まず、基礎的押圧法から説明します。
最もシンプルな方法としては、筋肉の盛り上がりのラインに対して施術の手指等を十字または斜めに置き、施術部分を逃さずブレないように、合致している面に対して垂直に圧をかけます。施術の手指等から肩まで一直線である状態が最も効率よく体重が乗ります。そして指で施術をする場合は、施術部分にセットした後、指は固定状態にします。なお、お客様の体を包み込むイメージで行いますが、圧をかけるべき部分以外の手(母指で圧をかける際であれば四指)は力を抜き、添えている程度にします。その他、施術部分を”とらえた状態”でお客様の体を揺らすと、より深部の施術ができたり、リラックス効果が増大が期待できます。術者の体幹から肩、腕、手と揺らしを伝え、振り子のようなイメージで行うことが大切です。決して手先で行うものではありません。なお、揺らしはこの後に記載するプレス法の際にも使用できます。

 基礎的押圧法 ー 直圧法はこの後に記す実務的押圧法であるプレス法と併せて使うものであり、単体では基本的に使えないものだと認識下さい。練習していくうちに迷うことがあれば、基礎的押圧法を再確認して下さい。



A実務的押圧法 ー プレス直圧法 概要

 基礎的押圧法の感覚を理解し、ある程度上手くできるようになれば、早速それを応用した押し方である、プレス法という施術の方法を行います。プレス法は、支点よりテコの原理で施術部分を挟み込むもので、ブレ防止にとても役立ちます。少し理解しにくいかもしれませんが、安定感のある施術を実現する上でとても重要で役に立つ方法ですので是非とも修得して下さい。
 なお、説明としては母指や手根を使って手前から奥、または左右の動きをする施術を前提としております。例えば四指で奥から手前の動きをするような施術は下説明の逆だとお考え下さい。
いずれの場合も支点側を手前とし、逆側を奥とします。

   まず筋肉の少し手前に施術の手指等を当てるのですが、このときに単に当てるのではなく、筋肉の奥または天辺あたりから手前にタオルや皮膚のたるみを絞りとるように軽くお客様の体の表面を滑らします。奥側のタオルや皮膚を突っ張らせて手前にたるみを持たせるイメージです。
この後の動作の支点となるので比較的狭い面または点を使い、入れ込むようにします。入れ込むとは、母指を使う場合で言うと、手の甲を伸展させる動作であり、前腕を使う場合で言うと、肘を屈曲させる動作です。
いずれにせよ、手指等の力をメインに使ってはいけません。脇を締める意識を持って、お客様の体に近づくようにします。

   支点となる部分をとらえたまま手指等を筋肉の奥方向に倒しこんでいきます。支点を基にテコの原理で行います。
これは支点を作る際の動作とは反対になります。母指を使う場合で言うと、手の甲を屈曲させる動作であり、前腕を使う場合で言うと、肘を伸展させる動作です。
こちらもいずれにせよ、手指等の力をメインに使ってはいけません。脇を緩める意識を持って、お客様の体から離れるようにします。

   倒しこみと同時に支点を少しずつ浮かせていき、筋肉の盛り上がりに対して垂直の位置から、わずか手前に傾斜する位置に合うよう慎重に調整します。わずか手前に傾斜させることによって盛り上がりの奥に作った突っ張りと術者の手指等両方で施術部分を挟み込むことができ、より安定した押圧が実現します。この位置をプレス面とします。
プレス面の手指等に筋肉の盛り上がりをしっかりとらえて安定感があれば正しくできていると考えられます。
安定状態が確認できたら、施術部分の指(指で施術する場合)は固定のまま腕や体の位置を押圧の軸と合うように調整し、あとは体重移動によってプレス面方向に直圧をかけます。

 ここまでが実務的押圧法であるプレス法の全体的な説明です。
プレス法や、後に説明する応用法である揉捏法は施術の方向として2種類に分類できます。
施術の方向とは筋肉のラインに対して横方向なのか、縦方向なのかです。一般的には横方向の施術が主ですが、場合によって縦方向の施術は、より一層の効果を発揮しますので、横方向の施術と合わせて修得していただきたく思います。

 文章説明だけでは理解が困難かもしれませんので、図と併せてご確認下さい。

  A実務的押圧法 ー プレス直圧法(A 横方向)

 筋肉の盛り上がりの奥から手前にタオルや皮膚のたるみを持たせ、奥側を突っ張らせて行います。上記で、術者が使用する部分として指先、指腹、手のひら全体、手根、手刀(手のひらの小指側側面)、前腕、肘頭が挙げられると記載しておりますが、横方向のプレス法での使い方としては基本的に下に記すようにワンセットで考えます。

  <指を使う場合>
支  点 : 指先
プレス面 : 指腹
<手を使う場合>
支  点 : 手根
プレス面 : 手のひら全体または手刀や手根
<前腕を使う場合>
支  点 : 肘頭
プレス面 : 前腕の内側の柔らかい部分(手のひらを下に向けておく)



A実務的押圧法 ー プレス直圧法(B 縦方向)

 横方向のように、筋肉の盛り上がり一点に対して行うものではなく、広範囲に対して行う施術です。
横方向では筋肉の盛り上がりの奥から手前にたるみを持たせますが、縦方向では盛り上がりと言う概念がなくなります。任意に盛り上がりを作るようなイメージで、奥から手前にタオルや皮膚のたるみを持たせ、奥側を突っ張らせて行います。
術者の使う手指等は、縦方向のプレス法での使い方としては基本的に下に記すようにワンセットで考えます。

<指を使う場合>
支  点 : 指腹
プレス面 : 指腹
<手を使う場合>
支  点 : 手のひら全体または手刀や手根
プレス面 : 手のひら全体または手刀や手根
<前腕を使う場合>
支  点 : 前腕の内側の柔らかい部分(手のひらを下に向けておく)
プレス面 : 前腕の内側の柔らかい部分(手のひらを下に向けておく)



B揉捏法 概要

 続いて、揉捏の方法を説明しますが、これは言うならばプレス法でプレス面にたどり着くまでの経過をしっかり行うものです。プレス面に到達するわずか手前で、押圧を緩めて自然に術者の手指等を離します。揉捏によって、施術部分の一つである猫の舌のようなザラつきが発見できますので、とても有効な施術法です。

 練習方法としては手首や肘の柔軟性を養えるようなことであれば思いつくものでかまいません。例として挙げるとバスケットボールのワンハンドシュートやドラム演奏法のダブルストローク、500mlペットボトル程度の太さのものを体の前側で持った状態でペットボトルの位置が変わらないように手首を屈伸させるなどがあります。
 揉捏法に関してもプレス法と同様に横と縦の2種類あります。
これもまた横方向のみならず縦方向も是非修得して下さい。

B揉捏法(A 横方向)
 動きとしてはプレス法の横方向を参考にし、プレス面までの経過をしっかり感じ取りながら行いましょう。確実にプレス面に到達するまでに術者の手指等を離すようにし、お客様の筋肉がゴロンとならないよう十分に注意をして下さい。



B揉捏法(B 縦方向)
 動きとしてはプレス法の縦方向を参考にし、プレス面までの経過をしっかり感じ取りながら行いましょう。特に術者の手指を離すタイミングは気にしなくても、お客様の筋肉が横方向の揉捏のように奥から手前にゴロンとなることはありませんが、筋肉のラインに沿った方向に圧をかけているので、脱線して左右にゴロンとなることや、術者の手指等がお客様の骨に当たってしまうことは考えられますので十分に注意して下さい。



まとめ(横向き施術や足つぼに関して例外あり)

●施術面に対して垂直になるよう手指等を合わせる。
●面に対して効率良く圧をかけるためは、指先・手首・前腕・上腕を一直線に近く保ち、その軸を圧をかけるべき方向に合わせることがもっとも術者の体に負担が少なく安定感もある。ただし、必ずしも実現できるときばかりではない。
●指先・手首・前腕・上腕を一直線に保つためには術者は細かく体勢調整が必要。
●押圧は深部までしっかり圧をかける。揉捏の際も同じく、まずはしっかり圧をかける。
●目線は施術部分ばかりにやらず、目の水平ライン上で正面にやります。それは術者の背中が丸くならないようにするためです。術者の背中が丸くなると、体重をかける効率が悪くなり、結果的に手指等や体の前側の筋肉に無駄な力が加わります。それは術者、お客様ともに危険が伴うものですので、しっかり意識しましょう。
●押圧は原則として体重移動で行う。指で施術する場合、指は固定状態。


[ストレッチ施術]

 ストレッチをかけたい部分が最大限に伸びた状態で、さらにストレッチをかけようとすると、その動作に関連する別の部分が代償的に動き始めます。通常、そのような状態になれば本来ストレッチをかけようとする部分には最大限にストレッチがかかっていると言えます。ですので関連する別の部分が少し動き始める、または、そのわずか手前が本来ストレッチをかけようとする部分のストレッチポイントです。

 例として、まず仰臥での腰部ストレッチを考えてみましょう。ここでは右脚を反対側に捻る方法で説明します。右脚を反対側に捻ると、やがて右肩が少しずつ浮いてくるはずです。それが関連する別の部分の代償的動作です。
 もう一つ例を挙げると、首を屈曲させて後ろ側を伸ばすストレッチ法を考えてみましょう。あまり強くやり過ぎると背部が代償的に屈曲してくるはずです。
 いずれにせよ、代償的な動きとは、本来のストレッチをかけようとする部分の限界に達したときに、その動きを代わりに行おうとするものです。代償的な動きをほんのわずか確認できた段階が本来ストレッチをかけようとする部分のストレッチポイントだと認識し、しっかり見極める必要があります。これもまたお客様によって違いがあるので一概に同じようにではなく、一人一人確認を怠らず慎重に行うようにしましょう。

 ではここで”ゼロ”に戻って考えてみましょう。特にストレッチは、方法を丸々覚えてしまおうとする方をよく見かけます。しかしそれはけっこう大変なことです。しかも方法だけを覚えても応用がきかないというデメリットもあり、さらに間違った認識で行うとお客様のケガに繋がる恐れがあります。
 そこでまず、どこの部分にストレッチをかけたいのか、まずはそれを明確にする必要があります。次いで、その部分とは何の筋肉か突き止めます。突き止めればその筋肉の作用とは逆の動きに持っていけば完成です。これは解剖学の筋肉の起始と停止、またその作用を理解する必要がありますので容易なことではありませんが、少しずつでも覚えていくようにすることが得策です。

A指導

 施術だけでは整体の効果を継続することは困難だと考えます。もし、精神的な緊張があるように感じ取ったりお客様の話より聞き取ったりすれば、それに対するアドバイスが必要です。
 そして、絶対的にと言っても過言ではない指導内容として姿勢指導が挙げられます。姿勢が体に及ぼす影響を分かりやすく説明し、理想的姿勢とはどんなものか理解していただくことがとても重要です。さらにそれを無理なく実践できるように体操等の運動指導を併せて行う必要があります。

[精神的安定の対策指導]

 精神的な緊張とは、ストレスであったり睡眠不足等の脳自体の疲労と考えます。脳の疲労は体全体の緊張に繋がり、それは体表面の突っ張り感として現れます。そのお客様にとって簡単には解決できないような原因もあると思うので一概に対策を講じることは容易ではありませんが、思い当たる限りのアドバイスをしてあげることも大切だと思います。そうした中に術者とお客様の間に信頼関係が生まれたり、術者の個性が現れたりするのかもしれません。なので、もしかすればアドバイスなんて偉そうなことをせずに、ただ黙って話を聞きながら施術をするっていうのも一つの手段なのかもしれません。

[姿勢と症状の関連性説明指導]
 お客指導 参照

[理想的姿勢維持のための指導]
 お客指導 参照

出典:ほぐし整体”ゼロ”起点 〜細田式整体ノート〜: 方法をカンガエル・ミナオス ほぐし問答 (むげんぶっくす)」